<2010年>

「九条の会安佐地区ネットワーク」発足 

憲法と平和めぐる情勢、来年の取り組み意見交換
 

 12月4日、広島医療生協組合員ルームで、安佐地区の11の団体(九条の会やその準備会、九条を守る運動をしている団体)から12人が参加して、表記の第1回会合が開かれた。 

 まず、組織の正式名称を「九条の会安佐地区ネットワーク」に決定し、安佐地区の九条の会相互の交流や協力を行っていくことが確認された。また、同ネットワークの運営を円滑に進めるための事務局がつくられることになった。 

 昨今の状況についての意見交換では、尖閣諸島の問題や、北朝鮮の砲撃事件の影響を受け、国内でも軍事的な対応を強めようとする動きや報道が強まっていることに懸念を示す発言があり、マスコミ報道を鵜呑みにするのではなく、真実の姿を見極めること、そのための学習を深めておくことの重要性も強調された。 

 来年の取り組み計画については、従来から行ってきた学習・講演会の企画だけでなく、映画会や、ときには平和の問題に関連したバスツアーの企画も面白いのではという意見も出された。事務局では、この日出された意見を整理した上で、次回のネットワークの会議(2月12日午後1時30分~)に企画案を提案することになった。 

                 (坂本 裕・安佐南区安佐北区九条の会)

                             ●10.12.6
 

平和的生存権 侵害する基地 

 高良さん、憲法のつどいで講演 
 

  広島県9条の会ネットワークは11月2日、広島県民文化センターホールで「憲法のつどい2010ひろしま」を開いた。 

 つどいは「沖縄から見た平和憲法―日米安保の『いま』を問う」と題し、琉球大学法科大学院院長の高良鉄美さんが講演した。高良さんは帝国憲法の前文には富国強兵が書かれ、5年後には日清戦争が起こったと指摘。平和憲法が適用されたのは38年前だが、こんな良い憲法の日本に復帰するんだという思いだった。また、復帰前には600発の核兵器があると言われたが、それが1200発に訂正された。現在はどうなのかと言うと、米兵は尋ねもしないのに「核はないよ」と答えた。 

 憲法は復帰の時も、現在も沖縄の平和、住民主権、基本的人権の尊重を求める後ろ盾と強調。低空飛行や爆音により、恐怖と欠乏から免れる平和的生存権が侵害され、憲法の理念の足元にもついていないと訴え。 

 沖縄本島には222平方キロの米軍基地があり、大事な土地に基地が集中している。沖縄は、第2次大戦の時は本土の捨て石にされ、戦後は旧安保条約が発効した時に憲法から分離された。沖縄は国益のために地域を犠牲にする日本の縮図だと強調した。

  高良さんの講演要旨はこちら

                           ●10.12.6
 

沖縄から見た平和憲法 

11月2日、日米安保を問う 「憲法のつどい」
 

 広島県9条の会ネットワークが主催する「憲法のつどい2010ひろしま」が11月2日、広島県民文化センターで開かれる。「つどい」は憲法が公布された11月3日前後に毎年開いてきたもので、今年は琉球大学法科大学院院長の高良鉄美さんを招き、「沖縄から見た平和憲法」と題して講演をしていただく。ひろしま医療人・九条の会が共催。 高良さんは1954年生まれ、専門は憲法学。『沖縄から見た平和憲法』『僕が帽子をかぶった理由』などの著書がある。 

 ■日 時 : 11月2日(火) 18:30~21:00 

 ■会 場 : 広島県民文化センターホール 

 ■講 演 : 高良鉄美さん(琉球大学法科大学院院長) 

           「沖縄から見た平和憲法~日米安保の『いま』を問う」 

 ■参加費 : 999円、障がい者、高校生以下は無料 

 ■手話通訳・保育あり (保育は要予約) 

 チケットは、各九条の会、または広島マスコミ九条の会までメール、ファックスでお申し込み下さい。当日券もあります。

                             ●10.10.5 

 

きっかけは 「被爆者の証言」を聞く会 

可部九条の会 結成総会の報告
 

 7月に結成された可部九条の会(広島・安佐北区)事務局の藤代幸司さんから結成総会のレポートが届きましたので掲載させていただきます。 

  7月31日、20名の参加で「可部九条の会」結成総会を開催しました。私たちは、2004年から原水爆禁止世界大会“青年のひろば実行委員会”主催の全国から集まった青年たちが「被爆者の証言」を聞く集会の1会場を受け持ち、「証言を聞き“その場限りの共感”では困る。広島では、今も続いている被爆者救援活動や裁判、黒い雨の運動も知らせよう! 話を聞いた青年が地元に帰り、平和運動の一躍を担ってほしい。」と願いを持って、この地域の広島医療生協、安佐北原水協、黒い雨の会が協力し、すすめてきました。 

 この取り組みをとおして、可部(地元)を視野に平和について継続的に学習、活動ができないか考えていました。今年の4月3日、医療生協主催の「平和のつどい」が開催され、35名の参加があった際に、改めて可部地域にも草の根の“九条の会”をつくろうという呼びかけがありました。そして、5月の安佐地区九条まつりには可部地域からも多くの参加があり、可部地域で九条の会をつくる機運が盛り上がり、準備をすすめ当日を迎えました。 

 可部九条の会は、①「憲法九条を守ってください。」署名に取り組みます。②憲法九条の大切さを知り、ひろめていくための学習会を開きます。以上の内容で行動します。 

 会の世話人には、9名の呼びかけ人が選出され、事務局を広島医療生協津田診療所内に置きます。可部九条の会は、37名の会員でスタートしました。                                  可部九条の会 事務局 藤代幸司

                             ●10.9.9
 

10月 松江で憲法セミナー 

平岡さん、高遠さんが講演
 

 九条の会(全国)の主催による第10回憲法セミナーが10月30日、松江市のくにびきメッセ国際会議場で開かれる。「憲法セミナー」はこれまで、全国各地で開かれてきたが、中国地方で開かれるのは初めて。 

 今回のセミナーのタイトルは「核のない平和な世界と憲法9条」。前広島市長で広島マスコミ九条の会の平岡敬さんとイラク支援ボランティアの高遠菜穂子さんが講演する。

 セミナーへの参加希望者は、「住所、氏名、電話番号」を添えて、メール、FAXまたは電話で九条の会事務局に申し込むと、参加予約券が送られてくる。 

 九条の会のメールアドレスなどは次の通り。 

メール mail@9jounokai.jp   電話 03-3221-5075  FAX  03-3221-5076

                            ●10.8.28

 

 170人を超えた集いの参加者 

広島・西区連絡会からの報告
 

 広島・西区九条の会連絡会は7月28日、西区いきいきプラザで連絡会議を開き、各九条の会の活動を報告するとともに、参院選後の憲法を巡る情勢などについて意見交換を行った。 

 5月以降の取り組みとしては、中広九条の会が5月30日に開いた「学習と交流のつどい」に30人が集まり、浅井基文さんの講演「国際情勢と憲法九条の役割」を聞いた。昼食会ではスイトンや結びで戦時中の暮らしを偲んだ。 

 己斐九条の会は、5月23日「憲法講演と音楽のつどい」に37人が参加、広島大学名誉教授の北西允さんが、非民主的な小選挙区制や英仏独の選挙制比較などを交えて「憲法があぶない」と題して講演、西区在住の山田和彦さんが10弦ギターを演奏した。 

 観音九条の会は、6月5日前岩国市長の井原勝介さんを招き「学習と交流のつどい」を開き、60人が参加、31,500円のカンパがあった。井原さんは米軍再編をめぐる岩国の闘いについて話した。観音では8月21日、「戦争を語り継ぐ会」の企画で「私の8・15」を開く。 

 庚午・古田九条の会は、5月23日草津・教専寺での「憲法講演」に45人が参加、カンパは26,000円だった。講演は高橋昭博さん。画家四国五郎さんの絵のDVDを鑑賞しながらの講演だった。高橋さんは「エノラ・ゲイ号の元機長に会うために訪米した。『軍人なので命令されれば爆撃せざるをえない、しかし爆撃しなくてもよい世界、戦争のない世界にいなければ・・・』との発言があった」などと話した。

 5月、6月の集いで、西区全体では172人が参加した。 

 連絡会では、このほか7月1日に開かれた「井上ひさしさんのお別れの会や7月15日にあった「九条の会」事務局の渡辺治さん(一橋大学名誉教授)の講演「参院選後の情勢と構造改革」などについて報告があった。 

 また、秋に各中学校区九条の会で企画を持つこと、来年5月に西区としての企画も検討すること(例えば「九条、日米安保が問題、そして食と農」)、11月に県九条ネットが開くイベントや8月7日の「憲法フォークジャンボリー」に積極的に参加すること、また、今年も8月6日に広島で講演会を開く田母神元空幕長の動きを「無茶苦茶言っている」で流さず、批判世論を多数にすることなどを確認した。

                            ●10.7.23

 

平和のバトンを未来へ 

子どもの本・九条の会 1周年の集い
 

  子どもの本九条の会1周年の集いが7月18日、広島国際会議場で開かれた。はじめに、去年6月設立の集会で講演し、深い感銘を与えた故井上ひさしさんの冥福を祈って黙祷を捧げた。 

 会の皿海達哉代表の挨拶のあと、児童文学者・松居直さんが「絵本の力は子どもの未来」と題して講演した。(講演要旨は「ニュース(会報)」のページに記載) 

 第二部は会員グループによる詩や憲法条文などの朗読や、 童話の語り。出演者は、おはなし会や図書館ボランティア仲間など、子育ての現役から熟年世代までの幅広い「手作り演出」。清清しく力強い声が、会場を埋めた約350人の胸に響いていた。 

 最後に作家・那須正幹さんが「平和な未来を、子どもたちと共に作り上げていこう」という、広島からのアピールを読み上げた。 

 終了後、会の事務局長・三浦精子さんらは「これからも力を合わせ粘り強くがんばりたい」と、スタッフと会場の後片付けに追われていた。                       (喜)

                            ●10.7.23
 

雨の中 安佐地区「九条まつり」に320人 

平岡前市長、上野アナら「九条・平和」を語る
 

 安佐南区と安佐北区で活動している10の九条の会と、3つの準備会が主催する「安佐九条まつり」が5月23日、安佐南区民文化センターで開かれた。「まつり」は、国民民投票法が施行される5月に、地域に強くアピール使用という趣旨で各九条の会から実行委員を出して催された。 

 当日は、前夜からの雨も降りしきる中だったが、320人が参加、安佐地区の九条関係の集会としては過去最大規模となった。 

 記念講演に登壇した平岡敬前市長(広島マスコミ九条の会代表)は、「先の戦争に協力して国民を不幸のどん底に陥れた報道の反省に立って出発したはずのマスコミだったが、自分はその一員として、どこまで取り組めたか、じくじたる思いもあって、『マスコミ九条の会』や地域の九条の会にかかわってきた」と切り出し、「憲法より日米同盟が上位に置かれ、日本は米国に従属的で安保至上主義になり、マスコミもそれに無批判だ。沖縄の基地が問題となっているときに合わせるように北朝鮮の問題が出て、抑止力の議論になっているが、これらのことに、マスコミは疑ってみることが必要ではないか」と、マスコミの現状に注文をつけた。その上で、「大切なことは、日本に異なった意見を認め合う、真の民主主義を定着させること。力による平和

の考え方を否定しなければならない。差別・貧困などの解決を図り、くらしの中から平和をつくることが大切。国家事業として本格的な原爆展を催して欲しい」と、憲法九条とヒロシマを積極的に活かすことを呼びかけた。 

 また、元RCCアナウンサー(現在フリー、安佐南区在住)で、広島カープ初優勝のとき実況中継を担当した上野隆紘さんは、当時をなつかしく思い出しながら、RCCの野球中継が必ず原爆ドームの映像を交えてきたことの意味や、最初のMVPである沢村栄治投手が戦争に散ったコトなどを話し、カープが勝った負けたと一喜一憂できるのも平和のおかげと結んだ。 このほか、安佐地区からNPT再検討会議に参加した人たちの報告、バンド演奏、コーラス、フラダンスなどがあった。 

 ※ この記事は、九条まつり実行委員長(安佐地区九条の会事務局)の坂本裕さんのレポートを要約させて頂きました。

                            ●10.6.12
 

「密約」の根源にヒロシマ・ナガサキ 

マスコミ九条の会5周年のつどいで、春名さん講演 
 

  6月5日、広島マスコミ九条の会結成5周年のつどいが、広島市西区民文化センターで開かれた。つどいには、マスコミ九条の会の会員・市民ら約70人が参加した。 

 開会あいさつに立った平岡敬代表は、世論調査では、九条を生かして平和な世界を作っていこうとする人が60%おり、心強いと述べ、呼びかけから6年で、「九条の会」が全国で7500を超えていることを紹介した。さらに、日米安保が50年の今年、「普天間や密約の問題に表れているように、憲法と安保条約の矛盾が噴出している。新たな日米関係を築く時に来ている」と指摘した。 また、「官房機密費」がマスコミに流れていたことに触れ、「政治とカネ」だけでなく、自らの問題として「報道とカネ」の追及も必要だと、メディアを批判した。 

 「日米関係と憲法九条」と題して講演した元共同通信記者で、外務省の密約調査有識者委員の春名幹男さんは、ヒロシマ・ナガサキを経験した日本国民と、核戦争を前提に原爆を捉えるべきと国民を教育してきたアメリカ政府との意識と政策・戦略の違いを上げ、「密約」はその違いを隠そうとする両政府の思惑があったことを明らかにした。 

 春名さんの講演要旨は、日本ジャーナリスト会議(JCJ)広島支部が発行する季刊誌に掲載 される予定。

                            ●10.6.12

 

「九条の会・牛田」が会誌発行
 

  今年2月に発足した「九条の会・牛田」が5月3日、会誌創刊号を発行、現在販売している。会誌は、変形A4版24ページで、一部定価100円。 

 主な内容は次の通り。  

  ◆ 九条の会・牛田ー結成のつどいー報告 

  ◆ ナチスへの反省、人と人とのつながり/憲法9条 (田村 栄子) 

  ◆ 憲法ミュージカルの16年 (廣島 敦隆) 

  ◆ 『私と憲法』のテーマで『語り、綴ること』 (吉富啓一郎) 

  ◆ 「九条の会」と全国情勢-いま何が動いているか (石口 俊一)  

  問い合わせは、事務局澤野さん(082-227-6298)まで。 

                             ●10.5.11
 

西区の己斐、中広九条の会が相次いで集い
 

 己斐九条の会は、2010年5月23日(日)午後1時30分から3時30分まで己斐公民館で、結成2周年「憲法と音楽のつどい」を開催する。講演は元広島大学教授の北西允さん。演題は「憲法があぶない!最も非民主的な小選挙区制度・・・英仏独の選挙制度を基に」。山田一彦さん「10弦ギター」の演奏もある。 

 また、5月30日(日)(当初予定のの5月16日が変更になりました!)には中広中学校区九条の会「学習と交流」の集いが、三篠公民館3階研修室1で開かれる。集いでは広島平和研究浅井基文所長が「国際情勢と憲法九条の役割」と題して講演する。開始時間は10時30分、終了は午後1時30分で、昼食は「すいとん」とむすびで、昼食代込みの参加費は500円。

                             ●10.4.29
 

広島マスコミ九条の会5周年のつどい 

「密約」調査有識者委の春名さん 「日米関係と九条」
 

  2005年7月に結成された広島マスコミ九条の会は今年、5周年を迎える。会では毎年「周年イベント」として講演会やシンポジウムを開いてきたが、今年は6月5日(土)に「5周年のつどい」を開く。 

 講師は、密約に関する外務省有識者委員会委員の一人である春名幹男さん。春名さんは元共同通信記者で、ワシントン支局長も務めた。退職後は名古屋大学で教鞭をとり、現在は同大の特任教授。アメリカの核実験により被曝した人々を追った『ヒバクシャ・イン・USA』(岩波新書)のほか、『秘密のファイル』(新潮文庫)などの著書がある。 

  つどいは6月5日(土) 午後2時開場、2時半開会(5時終了予定)。西区民文化センター、会議室ABで開く。演題は「日米関係と九条」。 参加費は資料代を含め999円(大学生以下学生は無料)。

                             ●10.4.20
 

 今年も5月3日 憲法ミュージカル 

鹿児島大 伊藤教授が講演 「本当の福祉とは」
 

  17回を迎えた憲法集会「マイライフマイ憲法」が5月3日、広島県民文化センタホールを会場に開く。今年の集会は、第1部は「ほんとうの福祉とは-憲法から現政権の政策を問う」と題して、伊藤周平さん(鹿児島大学教授)が記念講演を行う。 

 第2部憲法ミュージカルは「子どもの幸せ みんなの幸せ」をテーマにした 「Change Ⅰs Beautiful」(廣島東竜・作)を、募集に応じた高校生、市民が演じる。 

  ■日時:5月3日(月・祝)  13時00分 開場  13時30分 開演 

  ■会場:広島県民文化センター ホール 

  ■前売券:大人2000円(当日2200円)、小中高生1000円(当日 

      1200円) 

  ◆託児所あり 

  ◆事務局 石口法律事務所 082-222-0072  

  ホームページはこちら

                             ●10.4.20

 

「九条の会」呼びかけ人 井上ひさしさん逝去 

原爆劇でヒロシマ伝える

 

  「九条の会」呼びかけ人で、作家の井上ひさしさんが4月9日午後10時22分、鎌倉市の自宅で死去した。享年75。 

 井上さんは、昨年6月21日、広島で開かれた「子どもの本・九条の会広島」の設立の集いで、「子どもに伝える日本国憲法」と題して講演、 この時が最期の広島訪問となった。 

 「父と暮せば」、「紙屋町さくらホテル」など、原爆をテーマにした戯曲を書き、「今度は長崎のことを書きたい」と話していたという。  

 8月2日から3日間、広島市民劇場主催、こまつ座による舞台劇「父と暮せば」が、広島アステールプラザ、安佐南区民文化センターで上演される。 
                            ●10.4.13
 

政府に非核三原則の厳守・法制化求める 

広島・長崎の被爆者ら呼びかけ
 

 広島、長崎の被爆者などでつくる「非核三原則の厳守・法制化を求める広島・長崎連絡会」の29人が3月1日、「日本政府に対し、非核三原則を厳守・法制化し、核兵器廃絶の先頭に立つことを求める声明」を発表し、3日、呼びかけ人の広島平和研究所の浅井基文所長らが広島市役所で記者会見をした。 

 「声明」は、「非核三原則は、広島及び長崎に対する原爆投下の惨禍を経験した私たちが二度とその惨禍を繰り返さないことを決意し、そのための根本的保証として確立した国民的総意の結晶」であるとし、「ヒロシマ・ナガサキが、アウシュビッツのように人類共通の負の遺産として国際的に受け入れられるに至っていない根本原因は、歴代日本政府が核兵器廃絶を唱えながらアメリカの核抑止力に依存するという矛盾を極める政策をとり、しかもそのことに対して国内世論がしっかりした異議申し立てをおこなってこなかった」と指摘した。 

 また、民主党政権が真相究明に着手している核密約が明確にされた暁には、政府が、寄港・立ち寄り・通過を含め、いかなる状況・形態においても核兵器の「持ち込み」を認めないことを明確にする非核三原則を厳守し、法制化することを求めている。そして、政府が「ヒロシマ・ナガサキの原点を踏まえ、アメリカの核の傘に依存する政策をきっぱりと清算し、地球上から核兵器を廃絶する人類的課題の実現に率先して取り組む真摯な外交的努力を行うこと」を要求している。

                            ●10.3.27
 

「九条の会・牛田」に大きな期待 

東区地域で2番目  住民106人で発進
 

 2月7日、広島・東区の戸坂に続き、区内で2つ目となる「九条の会・牛田」の結成の集いが牛田公民館で開催され、約60人が参加した。「青い空は」「翼をください」や「ふるさと」の歌声が会場いっぱいにひろがるなか、憲法集会実行委員の田中活さんが開会を宣言。 

 まず、弁護士の石口俊一さん(県9条ネットワーク事務局長)が、9条をめぐる全国と県下の情勢について報告した。石口さんは「すでに、全国の『九条の会』は7000とも8000ともいわれる広がりを見せているが、政権交代の新しい政治情勢の下でも、改憲策動の危険性は続いており、いっそうの運動の前進が必要であることを報告し、『九条の会・牛田』に大きな期待がかかっている」と語った。 

 これまで準備をすすめてきた事務局から、「申しあわせ」「人事」「今後の運動方針」や「会員拡大」「会計」などの議案について提案があり、了承された。また、役員として、「共同代表」に吉富敬一郎、田村栄子、廣島敦隆、「事務局」に木村雅子、佐々木潤子、宮武久美子、澤野重男、「世話人」に田中活、澤田良平、宮武久美子、木村雅子、佐々木潤子、澤野重男の皆さんが選出された。 

 「九条の会・牛田」は、毎年3月か4月に総会を開催すること、必要に応じてワークショップや講演会などのイベントを行うことにしている。結成時の会員数は106人。

                            ●10.2.25
 

安保改定50年を前に 

平 岡   敬 

 

「平和のため」に戦争をする――と、ノーベル平和賞受賞式でオバマ米大統領は言った。その弁舌の妙は、論語の「巧言令色、鮮矣仁」を思い起こさせた。アフガニスタンでの殺戮がいつまでも続くことを思うと、ノーベル平和賞の輝きも褪せる。 

 一方で、米国は普天間基地問題を「日米合意に基づいて進めなければ大変なことになる」と、日本を恫喝する。メディアはそれをそのまま伝え、「日米関係を堅持せよ」の大合唱。「米国が怒っている」ことよりも、「沖縄県民、日本国民が怒っている」ことの方が重要な問題ではないのか? 

 日米安保絶対思想にどっぷり漬かった本土のマスコミ人は、沖縄県民の苦悩に目をつぶり,米軍基地の縮小、解消へ向けての展望を語らない。「日米関係を変えるな」ということは、「対米従属を続けよ」ということである。他国の軍事基地を建設するのに、主権国家が金を払った前例はない。 

 「平和のため」の戦争拡大も、イスラエルの核保有を黙認しつつ、イランに核開発の断念を求める米国の身勝手も、軍産複合体に支えられている米国の権力構造から生まれる。 私たちは、世界に向かって核兵器廃絶、戦争否定を訴えてきたが、その根底には「広島・長崎への原爆投下は間違っていた」という認識がある。あの行為が正しくて許されるものならば、将来、核兵器が使われることに異議を唱える筋合いはない。それゆえ、広島・長崎は「広島・長崎への原爆投下は間違っていた」ということを、米国に認めさせなければならない。それによって、私たちは「平和のための戦争」論を乗り越えることができる。 

  60年安保闘争から半世紀を迎えるいま、私たちは9条を骨抜きにしている日米安保体制と向き合い、「虚構の平和」に安住することなく、歴史の真実を見つめる努力が必要である。広島都市圏には呉の海上自衛隊基地があり、岩国の米軍基地がある。それを視野に入れながら、人々のくらしや地域の発展を考えていかなければならない。 

 「9条を守る」とは「人権を守る」ことである。私たちは世界に平和を訴えるとともに、足元から平和な社会を築いていくことが求められている。

 (広島マスコミ九条の会代表)

                             ●10.1.3
 

国会の非民主的変質許さない 

中国ブロック九条の会が初の交流
 

  中国地方の「九条の会」が初めて一堂に会した中国ブロック交流会」が12月12日、岡山市の岡山市民会館で開かれ、120人が参加した。はじめに、「九条の会」(東京)事務局の高田健さんが、7443となった全国の九条の会の現状と、ブロック別交流会を開くことになったいきさつを報告、5県の代表から特徴的な活動が報告された。 

  午後は、一橋大学教授で「九条の会」事務局員の渡辺治さんが「新しい政権と日本国憲法をめぐる情勢」と題して記念講演。渡辺さんは、今夏の政権交代に触れ、「反構造改革、反改憲の声が自公政権を押し流したが、改憲に明確に反対してきた社民党や共産党にはいかず、いわば保守二大政党制が固定化した」と分析、政権交代は新しい政治の第一歩であり、「構造改革・改憲」と「福祉・平和」を目指す勢力の闘いがこれから始まると話した。 

  また、民主党政権下での明文改憲を許さないことは可能であり、2010年5月に施行される「改憲手続法」を始動させず、現行法の見直しを求めていこうと呼びかけた。「九条の会」の運動については、明文改憲が後景に退いたことで一服状態にあると見える。今後、衆議院の比例代表定数削減や内閣法制局長官の答弁禁止など、国会の非民主的変質を許さないことが課題と指摘した。 

  この後、5つの分散会でそれぞれの会の活動について報告、討論が行われた。 今回の交流会は、これまで毎年開かれてきた全国交流会に代えて、地域ごとの身近な活動の報告、交流を目的にした。

                             ●10.1.3

■■■■リンク■■■■

ヒロシマ総がかり行動

 実行委員会

日本ジャーナリスト会議

第九条の会ヒロシマ

マスコミ九条の会

九条の会

―――――――――――― 

 県北九条の会により三次市の国道沿いに設置された大看板     

(2012.3.11)